大事なのは休息時間
2交代制と3交代制、どちらにしても看護師にとって休息を十分にとることは業務効率を上げるためにも大切なことです。しかし、看護師が不足している現場では、「日勤を終えてすぐ夜勤」などのように時間的に厳しいシフトが組まれていることもあります。
休息が十分でないと不眠や疲労が蓄積される
夜勤が健康に影響することは広く認識されていますが、交代制勤務のインターバルが短いことのリスクは見落とされがちです。スウェーデンの調査によると、インターバルが11時間未満の勤務は夜勤と同等の不眠や疲労リスクがあるとの結果を示しています。ノルウェーの調査でも、インターバル11時間未満の日が月に3回あると病欠が21%増えるとの結果が示されています。日本でも、看護師の働き方が心身へ重大な影響を及ぼしていることが指摘されています。日本看護協会が労働科学研究所と共同で調査した結果、月72時間以上の夜勤は心身の疲労に悪影響を与え、過労死リスクを高めていることが明らかになりました。また、過労死危険レベルとされる月60時間超の時間外労働をしている看護師が、推計で2万人を超えることも同時に明らかになりました。時間外労働を減らしている場合でも、「日勤夜勤」とも呼ばれる3交代制に多い勤務体制が定着している現場もあります。これに伴い、夜勤は月に8日以内、勤務時間は72時間とするガイドラインが打ち出され、看護師の働き方改善につなげています。
インターバルは11時間で十分?
インターバルが11時間あれば問題ないとの考え方もありますが、日勤か夜勤かで睡眠時間や睡眠の質が異なることに注目すべきです。夜勤後の睡眠は昼間で、睡眠の質が低く時間も短くなる傾向があります。仮に十分なインターバルが確保されていたとしても、残業が発生すれば睡眠時間は削られてしまいます。つまり、睡眠が昼間になるのか夜間になるのかも考慮に入れたシフトを作成する必要があるということです。日本看護協会は、勤務間インターバル11時間以上の確保を目指すなどの提言をまとめており、看護師の働き方改善を積極的に求めていく姿勢を示しています。現場サイドに視点を移すと、人材が確保できない問題や勤務間インターバルを徹底するゆえに連休が取りにくくなる問題があるなど、簡単に解決できない事情があることも確かです。しかし、看護師の働き方改善への意識を高める流れは確かにあり、バランスを考慮した勤務シフトを模索する現場が増えていくことが予想されます。
睡眠の質を高めるコツを習得しておくことも大切
勤務シフトだけに頼らず、睡眠の質を高めるための工夫や努力を重ねていくことも大切です。「看護師必見!夜勤で乱れる「睡眠の質」をグッと高める3つのコツ」は、生活リズムが乱れがちな看護師に役立つ情報が掲載されています。
睡眠不足でさまざまな不調を感じている看護師に向けて、睡眠の質を高める方法を記載しています。 「看護師必見!夜勤で乱れる「睡眠の質」をグッと高める3つのコツ」